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富貴蘭チャンネル・ブログ

富貴蘭の新たな世界へ


by 静吉

八王錦(八王錦)

八王錦は私の棚の筆頭でこれ一鉢の大珍品です。
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八王錦は佐伯錦(無名中斑)に縞が出て早い段階で覆輪に固定した品種で、我が棚の至宝です。これぐらいは奄美などにはたくさんあるかもしれませんが、八王錦は奄美ではなく普通のフウランです。縞が出て突然大型化したのです。


根の色もきれいですが、根の色は佐伯錦の方が時々ルビー根っぽい色を出します。それはなぜかというと八王錦は外斑ですから根の色には影響が少なくて、佐伯錦は中斑だから根色に影響も与えるからです。

以前ルビー根と言って騒いでいた人は八王子の富貴蘭大家I氏で、その頃はルビー根品種と言えば金牡丹に白牡丹、それに羆や白雲閣程度しかなかったので、佐伯錦程度の根色でもルビー根と言って話題になったのです。
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佐伯錦は八王子の富貴蘭大家I氏のタダでの貰い物です。同時に古ヶ丸(本芸は孔雀丸同様の牡丹芸)の長葉もいただきました。

数年作って、佐伯錦はルビー根というほどきれいな根じゃないし中斑もきれいに出来上がらない。さらに古ヶ丸も長葉のままでその上は持ちも悪いままで時が過ぎました。
八王錦(八王錦)_e0363198_09493326.jpg

いつしか佐伯錦も古ヶ丸も、柄抜けフウランなどを入れておくバスケットの中です。

それから数年、ある時バスケットのフウランを見ると佐伯錦にチョビ縞が出ていました。これはビックリとバスケットの中から救い出しちゃんと植えてやりました。そしてそのチョビ縞が太縞となって直ぐに大覆輪に変化したのが八王錦です。

佐伯錦からチョビ縞が出たのは二つです。もう一つも縞が太くこれもこのまま覆輪になるかと思った所、なんとそれは元に中斑に戻ってしまいました。中斑に戻ったけど以前の佐伯錦から比べたら1.5倍の大きさです。

一方、古ヶ丸の方はなんか葉幅が広くなって少し羅紗地っぽい感じになってきていたので、これも鉢上げして栽培すると牡丹芸を表しました。羅紗地泥軸牡丹芸なので今のように羅紗地泥軸牡丹芸も紅法師系や紅孔雀実生系がなくて高価な泥軸の紅孔雀があった程度だったのですが、出遅れた感のある古ヶ丸は人気が出ませんでした。

古ヶ丸は日本富貴蘭会監修の「富貴蘭美術名鑑」定価30000円に収録されています。ちなみに古ヶ丸の名前は当時I氏の愛玩犬シーズの名前でした。
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そんなわけで八王錦は私の棚にのみある唯一無二の品なのです。

皆様もご自分の富貴蘭ヒストリーが生まれますよう富貴蘭収集と栽培に励んでみてください。一朝一夕には無理ですが、長い年月できっと唯一無二のあなたの富貴蘭ヒストリーが生まれると思いますよ。

紹介した植物がご希望であればお問い合わせください
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厳島静吉 携帯080-1279-2190



by midorinohouseki | 2017-06-20 09:49